長い長い店長のブログ報告 第一回
良い気分で、昨年をふりかえってみた。この数年間何かしなければ、と思いながら、店全体が静止した状態で動くことも出来ず、書店業界の動きを見守る以外になかった。
それほど激しく動いている書店業界であった。それは書店業界の話でばかりでなく、取次の業界、出版社業界、新古書業界、DVD店業界など含む、すべてが流動していたし現在も激動している。新聞社の出版事業部門が、子会社化されたり、数々の出版社がホールディング化され、多角的な方向性を求めている。また、それぞれの子会社化された事業部門が収益性を求められ、半期の損益を求められようとしている。今までの出版事業では対応出来るはず筈もなく、混乱をきたしている。倒産劇も取次業者でカバー出来ず、書店にも負担が発生している。書店側負担とは、委託、常備、長期制度の、すき間があり、かなり自由な返品が出来ていたが、そのすき間のフリー入帖本が出版社倒産で、すべて書店負担分となったからだ。この傾向が進展すれば、書店経営の方針の変化もあり得ることになる。
取次業界も書店倒産劇の処理で手一杯となっている。巨大型書店の経営不振の場合、出版、取次業界では荷が重いし、金融業界では再建も計画が出来ず、腰がひけ、ファンド資金を入れ、再建をさぐる結果となる。
そこで一番必要なことは、書店業事態を再認識することであり、事業形態・収益性の経営内容を知ることではないか、と考えた。これまでの私の認識では、活字文化を支えている一部分として、末端の小売業者であると自負していたが、現今の書店業界はどうも違っているように思われる。
暗いトンネル中でさまよっている私がいる。いくら頭で考え判ったつもりでいても、人間は(私は)現場を体感しなければ、認識出来ないと、九月下旬に中国・九州地方書店の観察旅行に出てみた(この体験記は後日報告する)。
東京の内神田の小さな書店では、書店の概念を越えた、事業体となっていた。出版社取次の営業の人達は、何をいまさら、と云うであろうが、現実にその場に立ち経営実態を説明して貰わなければ、私も理解出来なかったことだろう。
その体感から、十二月末まで、東書店の現状分析と今後の進展を予測してみた結果として、書店業界にも、針の穴ほどのすき間があき、光がもれて来ていることを体感した。まずは第一歩を!!
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